恭の人々

「あたしは恭の国民だわ。もしもあたしが冢宰だったら、麒麟旗が揚がり次第、国の民の全てが昇山するよう法を作るわ!」
 珠晶の父親には昇山する気がなかった。いまの暮らしを失いたくないから。
「どこかにいるのよ、王が。それが誰かは知らないけど、そいつが黄海は遠いとか怖いとか言って怖じ気づいている間に、どんどん人が死んでるのよ!」
 どこそこに妖魔が出たと聞けば、可哀想だ、なんてことだ、世の中はどうなるのだと憂い顔で。
「国民の全員が蓬山に行けば、必ず王がいるはずよ。なのにそれはしないで、他人事の顔をして、窓に格子を塡めて格子の中から世を嘆いているのよ。――ばかみたい!」
図南の翼 , pp.370-371

 恭に所属するキャラクタを一覧にまとめた。

読み 名前 説明
きょうき 供麒 珠晶を選んだ麒。
きわ 季和
けいか 恵花
しゅしょう 珠晶 現供王。
しょうたん 鉦担
しょうめい 小明
じょしょう 如昇
ちょだい 紵台
はくせんせい 摶老師
はくと 白兎
ばし 馬子
はじょう 玻娘
ばんこ 万賈