魔性の子における出来事

「事故が七、仮病が八」
 後藤はそれだけを言ったが、それで充分用は足りた。
 教室に行くと、築城と五反田を含め、わずかに五人の生徒が待っていた。二週間担当してきたクラスとの、別れの光景がそれだった。
魔性の子 , p.254

 『魔性の子』における出来事を、発生した順に基づいておおまかにまとめた。なお、詳しい日付は分からないが、これらは9月に起きた出来事である∗1

 『黄昏の岸 暁の天』の情報に関しては、イタチ兄弟が推測している部分が多いため、註釈等でできるだけ根拠を示していく。

日数
(曜日)
出来事(時間帯∗2・場所)
1日目
(月)
始業式∗3。教育実習開始日。
  • 広瀬、高里に異質さを感じる。(ホームルーム・教室)∗4
  • 後藤、本人には問題ないものの高里は周りを荒らす台風の目だと広瀬に教える。(ホームルーム後・準備室)∗5
2日目
(火)
通常授業開始。∗6
3日目
(水)
  • この前後から体育祭の準備で居残る生徒が出始める。∗7
  • 広瀬、高里の足元を駆ける獣のような影を見る。(放課後・教室)∗8
4日目
(木)
  • 広瀬・橋上・岩木・築城・野末、準備室で過ごす(昼休み)∗9
  • 築城、高里の神隠しについて広瀬・岩木・野末・橋上に話す。(昼休み・準備室)∗10
  • 広瀬、高里が神隠しに遭っていた間の空白の記憶を、描画を通して取り戻そうとしていると知る。(5時間目・美術室)∗11
5日目
(金)
  • 橋上、高里に神隠しの事について質問し、神隠しに関する情報源が築城だと言う。(ロングホームルーム・教室)∗12
  • 橋上、釘が手に刺さる。(下記の築城負傷の少し前か)∗13
  • 築城、鋸で足を切る。(放課後)∗14
  • 広瀬、高里らしき生徒の肩に謎の白い腕があるのを見る。(放課後・本部棟階段踊り場)∗15
6日目
(土)∗16
  • 築城・橋上が欠席。∗16
  • 広瀬・坂田・岩木・杉崎・野末、準備室で過ごす。(放課後)∗17
  • 坂田、高里の祟りに関する過去の事例(高里をいじめた奴が怪我をする・春の修学旅行で出た死傷者・1年生のときの人死に)について、広瀬・岩木・杉崎・野末へ話す。(放課後・準備室)∗18
7日目
(日)
体育祭準備のため学校は開いている。研究授業のリハーサル日。∗19
  • 広瀬、橋上の見舞いに行き、橋上自身が準備していたのとは別の釘がひとりでに刺さってきた事を教えられる。(午前・橋上宅)∗20
  • 広瀬、築城の見舞いに行き、築城が中学3年生のときに塾の友人が高里に怪我を負わせ、後に溺死した事を教えられる。また、築城が足を怪我したときに白い女の腕が足を拘束してきた事を知る。(午前・築城宅)∗21
  • 後藤、高里周りの死傷者(死者5名・負傷者2名)についてと、高里の行方不明事件の詳細を広瀬に教える。(午後か・準備室)∗22
8日目
(月)∗23
  • 広瀬、高里に臨死体験で見た世界について話す。高里、神隠し時の体験について話す。(放課後・教室)∗24
  • 岩木、祟りの噂を放置する高里をさとし、祟りの反証のために高里の頬を打つ。(放課後・教室)∗25
9日目
(火)∗26
  • 2年6組では築城が欠席。∗27
  • 広瀬・岩木・橋上・坂田・野末ら、準備室で過ごす。(昼休み)∗28
  • 岩木、体育の授業中に同級生たちに踏み潰される。(5限目・グラウンド)∗29
  • 後藤・広瀬、窓の外を眺め、岩木が踏み潰されたときグラウンドに異様な影のような染みを目撃する。(5限目・化学実験室)∗30
  • 岩木、救急車の中で死亡。∗31
  • 緊急職員会議が開かれ、体育祭の中止が決定する。(6時限目~夜)∗31
  • 高里、広瀬に自分の異質さと、自分が危害を加えられても怒らないこと、怒らなくても危害を加えた者が傷付いていくことを話す。(夜・準備室)∗32
10日目
(水)
  • 2年5・6組に欠席者多数。∗33
  • 全校朝礼で、岩木の死が伝えられ、体育祭の中止が発表される。∗34
  • 学校にマスコミらしき人たちが集まる。(校門)∗34
  • 高里、クラスメイトたちから吊るし上げに遭い、土下座を求められるも拒否する。直後、窓から突き落とされる。(午前∗35・教室)∗36
  • 広瀬、吊るし上げを止めようとして暴行を受ける。(午前∗35・教室)∗37
  • 橋上・坂田・野末、準備室で過ごす。坂田、途中で準備室から追い出される。(昼頃)∗38
  • 野末、岩木の葬式が今日行われると広瀬へ教える。(昼頃・準備室)∗39
  • 広瀬、高里を見舞い、高里の手を握る謎の白い手を目撃する。(昼頃・病院)∗40
  • 広瀬、高里母から高里に対する忌避感を吐露され、高里の保護を申し出る。(高里宅)∗41
  • 広瀬、高里に保護を申し出、広瀬宅へ連れていく。(駅)∗42
  • 広瀬、生田が昨年度末に高里へ喝をいれて間もなく死亡した事を、後藤から知らされる。(放課後・準備室)∗43
  • 高里、岩の迷宮とギアナ高地の写真に既視感を覚える。(広瀬宅)∗44
  • 岩木の葬式が行われる。∗39
  • 広瀬、就寝時に金縛りの中で白い女と視線が合い、「お前は王の敵か?」と訊かれる。その際、潮の匂いを嗅ぐ。(深夜・広瀬宅)∗45
11日目
(木)
体育祭開催予定日。∗34
  • 低気圧が近づいているとの予報があった。∗46
  • 2年6組では11名欠席(転落による負傷3人、仮病が4人、不明が3人、広瀬に言い含められた高里)。築城は出席。∗47
  • 校門に2,3人のマスコミ関係者らしき人が集まる。(朝)∗48
  • 後藤、1学期のときに、高里の足元にいる犬のような影と、高里の手を握る白い手を目撃した事を広瀬へ話す。(1時限目・準備室)∗49
  • 吊るし上げに加担した2年6組の生徒7人、屋上から飛び降りる。(2限目・クラス棟)∗50
  • 築城、坂田が記者らしき人物と喫茶店で話しているのを目撃する。(放課後)∗51
  • 生徒を見舞った先生、記者から転落事故・転落した生徒(=高里)・怪我をした教生(=広瀬)について質問される。(病院)∗52
  • 飛び降りた生徒のうち5人が死亡∗53。うち3人が即死∗54
  • 坂田、高里家へ電話をかけるも応答なし。∗55
  • 広瀬、高里の周辺で謎の影や白い腕を目撃することを高里へ話す。高里、広瀬にグリフィンとムルゲンと呼んでいる謎の気配がいること、ムルゲンの気配とともに海の匂いを感じることを話す。(夜・広瀬宅)∗56
  • 広瀬、夢現に「お前は王の敵か」という問いに答える。(夜・広瀬宅)∗57
  • 高里一家、襲撃を受ける。(夜~明け方・高里宅)∗58∗59∗60
  • 半嗣、麒麟の気配の痕跡を発見する。(学校)∗61∗62
  • 廉麟・景麒・六太、麒麟の気配の痕跡を確認する。(夜中・教室)∗61∗62
12日目
(金)
教育実習研究授業がある日。∗63
  • 陽子・六太・李斎、蓬山へ向けて出発する。(未明・金波宮)∗64∗62
  • 2年6組では24名欠席(死亡が6人、意識不明が1人、前日から欠席継続が3人、新たに転落による欠席が9人、病欠が4人、高里)。∗63
  • 高里の弟、無断欠席。高里の父も無断欠勤。∗65
  • 高里周りの不審事を祟りだと評す記事が出る。(朝)∗66
  • 玄関の階段下から1年6組の教室前まで、何者かが這ったような泥の跡が発見される。(朝・学校)∗67
  • マスコミの関係者らしき人が列を作るほど大勢押し掛ける。(朝・校門)∗68
  • 飛び降り後意識不明だった生徒が死亡した報が入る。(5時間目終了後?∗69・準備室)∗63
  • 広瀬、犬のような影と白い腕の持ち主が祟りの元凶だと後藤に説明する。(5時間目終了後?∗69・準備室)∗70
  • 広瀬・杉崎・野末、準備室で過ごす。(4時限目)∗71
  • 杉崎、広瀬・野末に岩木の祟りの話、岩木の幽霊が出る話、謎の泥の跡の話をする。広瀬、杉崎から泥の跡があった現場で潮の匂いがしたと聞き出す。(4時限目)∗72
  • 広瀬・杉崎・野末・橋上・坂田、準備室で過ごす。(昼休み∗69∗73
  • 橋上、一つ眼犬を連れて『キ』を探す若い女の怪談を、広瀬・杉崎・野末へ話す。(昼休み∗69∗74
  • 坂田、高里の居場所を広瀬へ尋ねる。(昼休み∗69∗55
  • 五反田・築城、坂田が2年6組の生徒に対して高里に逆らわないよう説教する電話をかけていると広瀬へ教える。(昼休み∗69・中庭)∗75
  • 五反田、祟りの被害の法則について広瀬へ教える。(昼休み?∗69・中庭)∗76
  • 屋上から飛び降りた7人のうち、当日に死亡した生徒たちの葬儀が行われる。(午後)∗77
  • 3年生、学校で謎の女から『キ・タイキ』や『サンシ・ハクサンシ』を知らないか尋ねられる。謎の女、「せっかくハンシがここを見つけてくれたのに……」∗78と発言する。(夕方・学校の玄関)∗79∗80
13日目
(土)∗81
教育実習最終日。午後に打ち上げを予定するも後日に延期。∗81
  • 2年6組では35名欠席(死亡が7人、前日までの負傷者が12人、新たに事故に遭ったのが7人、仮病が8人、高里)。∗81
  • 高里の弟、無断欠席。高里の父も無断欠勤。∗65
  • 橋上・杉崎・野末、広瀬のお別れ会を開く。(昼・準備室)∗82
  • 杉崎、怪談の若い女が探しているものが『キ』という動物と『ハクなんとか』であると、広瀬・橋上・野末へ話す。(昼・準備室)∗80
  • スポーツ紙が実名入りで高里に関して報じる。∗83
  • 記者らしき人物3人、広瀬宅の前に張る。(昼)∗84
  • 高里、自宅に電話するも応答なし。(昼・広瀬宅)∗85
  • 広瀬宅に、転落事故に関する情報提供を求める多くの電話がかかり始める。(夕方以降)∗86
14日目
(日)∗87
  • 高里、怪談に出てくる『キ』は『麒麟』、『ハクなんとか』は『白汕子』ではないかと広瀬に言う。また、土下座を求められたときに手を突くことが絶対にできないことであると思った事、ギアナ高地の写真を見て『蓬山』を思い出した事を話す。(広瀬宅)∗88
  • 坂田、高里の居場所を訊くために広瀬宅を訪ねる。∗89
  • 坂田、高里を労わり、自分が味方であると言い、人の愚かさなどについて説く。その後、追い出される。(広瀬宅)∗90
  • 後藤、高里の弟が通う学校から、弟の無断欠席と、父親の無断欠勤について知らされる。(後藤宅)∗65
  • 陽子・六太・李斎、金剛山で休む。∗64∗62
15日目
(月)
  • 2年6組では14名欠席(うち死亡が7人)。∗91
  • 週刊誌に、名前は伏せられた状態で、高里の記事が載る。∗91
  • 高里、広瀬に退学の意志を伝える。(早朝・広瀬宅)∗92
  • 広瀬・高里、高校を訪れる。(早朝)∗93
  • 後藤、高里の父親と弟が2日連続で休んでいた事を広瀬に話す。∗65
  • 2年6組内での高里の扱いが、チヤホヤしたものに変化する。∗94
  • 広瀬・橋上・野末・築城、準備室で過ごす。(昼休み)∗95
  • 築城、坂田が記者らしき人物と話していた事を、広瀬・橋上・野末に話す。(昼休み・準備室)∗51
  • 高里、後藤に退学の意志を伝える。(放課後・準備室)∗51
  • 取材陣が校門前に集まっている。(放課後)∗96
  • 広瀬・高里、高里一家の変死体を発見する。(放課後・高里宅)∗97
  • 記者2,3人、広瀬宅を張る。∗98
  • 後藤、広瀬宅を訪ねて事件の状況を把握し、高里にお悔やみを言う。(夜)∗99
  • 広瀬、高里一家の死亡は、自分が「王の敵じゃない」と答えた事に起因しているかもしれないと考える。(夜・広瀬宅)∗59
  • 陽子・六太・李斎、蓬山に到着。∗64∗62
16日目
(火)
  • 記者たち、高里が広瀬宅にいるという情報をもとに広瀬を取材しに来る。(朝・広瀬宅)∗100
  • 広瀬の実名がテレビで報道され、学校関係者・母親以外からも多数の電話がかかる。(朝~夜・広瀬宅)∗101
  • 広瀬の近隣住民、苦情を言いに訪問し始める。(夕方以降・広瀬宅)∗102
  • 陽子・六太・李斎、玉葉から泰麒が角を失っている可能性や、泰麒を伯に任じるための助言を告げられる。(蓬山)∗103∗62
17日目
(水)
  • 高里、警察から高里一家の遺体を引き取る。広瀬は付き添い。(昼過ぎ)∗104
  • 高里、警察からそのまま火葬場に行って荼毘に伏し、通夜で弔問客の対応をする。広瀬は付き添い。(寺)∗105
  • 後藤、広瀬に「現実からの逃避は現実への害意と表裏であること」「人間は汚く卑しい存在でエゴを持つこと」を話し、さとす。(寺)∗106
18日目
(木)
  • 2年6組の生徒10人ほど、高里家の葬儀に出席するために学校をサボる。∗107
  • 坂田、ホームから転落して電車に撥ねられる。(朝・地下鉄)∗108
  • 高里、葬儀を行う。(寺)∗107
  • 葬儀に来ていた取材陣、崩れた山門の下敷きになる。9人が死亡し、20人以上の重軽傷者が出る。(下記の事故と同時刻・寺)∗109
  • 広瀬宅を張っていた取材陣、暴走車に突っ込まれる。運転手を含む2人が死亡し、4人が負傷する。(上記の事故と同時刻・広瀬宅近く)∗110
  • 広瀬、高里に人のエゴを説き、高里の無意識による力が人々を傷付けていると話す。(夜・堤防)∗111
  • 後藤、翌日高校に来るよう高里を電話で呼び出す。(夜)∗112
19日目
(金)
  • 大勢の報道陣、広瀬宅の前で張り込む。(朝)∗112
  • 広瀬・高里、十時の迎えで高校へ向かう。(朝)∗112
  • 校長・教頭・2年学年主任、退学届けの受理を申し出る。高里、退学の意志を伝える。(朝・校長室)∗113
  • 広瀬、化物から襲撃を受けて負傷するが、高里が化物を制して広瀬を助ける。そのとき、化物の口から高里に憑く者たちが高里を守る責務を負っていると聞かされる。(朝・地学実験室)∗114
  • 広瀬・高里、病院で治療を受ける。後藤も同行。(病院)∗115
  • 広瀬・高里・橋上・築城・杉崎・野末、準備室で過ごす。(昼休み)∗116
  • 杉崎、広瀬・高里に坂田が事故に遭った事を教える。(昼休み・準備室)∗108
  • 広瀬、坂田が情報をリークしていた事を知らなかった高里が坂田に報復するはずがないと考え、祟りに高里の意識が関わっていないと確信する。(昼休み・準備室)∗116
  • 2年6組を中心にした10人ほどの生徒、高里の味方と思われていた広瀬・坂田の負傷を知って高里を糾弾する。高里、退学の意思を伝えることで騒動を収める。(昼休み・準備室)∗117
  • 広瀬宅の前で朝以上の人数が集まっている。初めての投石がある。(昼過ぎ)∗118
  • 高里、広瀬に促されてやった連想ゲームにより『泰王』『蓬廬宮』『十二国』『十二王』『戴極国』という単語と、ムルゲンが白汕子である事を思い出す。広瀬、それを聞いて高里が泰王だと考える。(広瀬宅)∗119
  • 広瀬宅を張っていた記者6人、死亡。(夜・広瀬宅前)∗120
20日目
(土)
  • 糾弾者によりドアや窓が叩かれ始める。(朝・広瀬宅)∗121
  • 投石が始まる。(昼前・広瀬宅)∗122
  • 広瀬・高里、警察に保護される。(昼・広瀬宅)∗123
  • 後藤・十時、広瀬・高里を迎えに行く。十時、自宅の提供を申し出る。(警察署)∗124
  • 広瀬・高里、山門倒壊事故で入院していた記者1人と坂田の死亡を知る。(夕方・十時宅)∗125
  • 広瀬・高里、異形の存在に囲まれる。異形の存在、レンタイホを呼ぶ。その際、高里が汕子と犬の化物の呼び出しに成功し、初めて姿を明確に視認する。(夜・海辺)∗126
  • 広瀬、異形の存在から潮の匂いを感じ、学校に現れた泥の痕跡を思い出す。(夜・海辺)∗127
  • 廉麟の使令、泰麒・汕子・傲濫の姿を確認する。∗128∗129
21日目
(日)
  • 高里、広瀬宅の入るアパートが未明に全焼したと知る。原因は1階の一室のガス爆発。(午前・十時宅)∗130
  • 広瀬、警察官からの電話で高里宅が半焼したと知る。原因は、広瀬宅が全焼したニュースを見た、高里宅の近所に住む小学生による放火。(夕方・十時宅)∗131
  • 陽子・李斎、金波宮に帰還する。∗132
  • 廉麟、泰麒の気配を辿って居場所(十時のマンションのことか)を特定して使令を残した旨を、陽子・李斎に報告する。∗128∗129
22日目
(月)∗133
  • 六太、雁で泰麒を太師に叙す準備を整え終えて、金波宮に到着する。(朝)∗134
  • 尚隆、蝕を起こすために虚海の果てへ向かう。(蝕を起こす半日前)∗135
  • 広瀬・高里、母校が倒壊した速報を見る。(正午過ぎ・十時宅)∗136
  • 高里、飛び降り自殺を図る。(昼・十時宅のマンション)∗137
  • レンリン、高里に死なないようさとす。その際、高里が記憶を失っている事を知る。(昼・十時宅のマンション)∗138
  • レンリン、白汕子とゴウランが大義しか分かっていない事、エン王が来る事、大きな災異が起こる事を広瀬へ告げる。広瀬、犬のような化物がゴウランであると気付く。(昼・十時宅のマンション)∗139
  • 広瀬、高里にレンリンの告げた内容を伝える。同時に、怪談に出る若い女がレンリンである可能性に気付く。(昼・十時宅)∗140
  • 広瀬、後藤からの電話を受け、後藤・十時の無事を知る。(昼・十時宅)∗141
  • 広瀬、高里が泰王であると言う。高里、強く否定し、泰王が自分の主である事と泰王と交わした誓約を思い出す。同時に、泰王の許へ戻る意思を見せる。(昼・十時宅)∗142
  • 後藤、広瀬・高里へ高校における被害状況(橋上が無事、築城・杉崎・野末は生死不明)を教える。(夜・十時宅)∗143
  • 予報にない台風が接近。∗144
  • 高里、どこからともなく聞こえる呼び声を耳にして家を飛び出す。広瀬、高里を追う。(夜・十時宅)∗145
  • 広瀬・高里、レンリンの転変を見る。高里、転変を見たのをきっかけにして記憶を取り戻す。(夜・海辺)∗146∗147
  • 広瀬、高里に言い含められ、その場を立ち去り避難する。∗148
  • 尚隆、蝕を起こして蓬莱へ渡り、泰麒を十二国の世界へ渡す。(出発から半日後・虚海)∗149
  • 十時のマンション付近を高潮が襲う。(夜)∗150
23日目
  • 泰麒、金波宮に到着する。(未明)∗151
註釈1~151

∗1
魔性の子 p.107
体育祭開催予定日である11日目までは確実に9月の出来事である。12日目以降は不確定だが、1日目に始業式が行われているので、一般的な学校の日程を考慮すると全て9月中の出来事であろうと推測される。

∗2
授業を基準に時間帯を表記する場合、授業の単位は小説中の表記に準拠する。

∗3
魔性の子 p.19

∗4
魔性の子 p.22

∗5
魔性の子 p.27

∗6
魔性の子 p.28

∗7
魔性の子 p.35

∗8
魔性の子 p.36

∗9
魔性の子 pp.40-44

∗10
魔性の子 pp.42-43

∗11
魔性の子 pp.45-47

∗12
魔性の子 pp.50-51

∗13
魔性の子 pp.56-57

∗14
魔性の子 pp.53-54

∗15
魔性の子 pp.59-60

∗16
魔性の子 p.64

∗17
魔性の子 pp.64-68

∗18
魔性の子 pp.67-68

∗19
魔性の子 p.69

∗20
魔性の子 pp.70-73

∗21
魔性の子 pp.79-81

∗22
魔性の子 pp.84-90

∗23
魔性の子 p.99

∗24
魔性の子 pp.102-106

∗25
魔性の子 pp.108-111

∗26
魔性の子 p.118

∗27
魔性の子 p.112

∗28
魔性の子 pp.111-117

∗29
魔性の子 pp.119-121

∗30
魔性の子 pp.118-120 および pp.123-124

∗31
魔性の子 p.123

∗32
魔性の子 pp.127-130

∗33
魔性の子 p.138
後の五反田の言(p.247)で、6組の欠席者は3人と分かる。

∗34
魔性の子 p.137

∗35
吊るし上げ騒動の際に暴行を受けて失神した広瀬が目覚めた場面(p.143)で、十時が「じきに昼」と言っているので、騒動は午前中にあったと分かる。

∗36
魔性の子 pp.138-142

∗37
魔性の子 pp.140-141

∗38
魔性の子 pp.146-147

∗39
魔性の子 p.147

∗40
魔性の子 p.147-148

∗41
魔性の子 pp.153-157

∗42
魔性の子 pp.160-162

∗43
魔性の子 p.167

∗44
魔性の子 pp.170-171

∗45
魔性の子 pp.176-178

∗46
魔性の子 p.204

∗47
魔性の子 pp.188-189

∗48
魔性の子 p.186

∗49
魔性の子 pp.194-196

∗50
魔性の子 pp.198-201

∗51
魔性の子 p.301

∗52
魔性の子 pp.218-219

∗53
魔性の子 p.203

∗54
魔性の子 p.201

∗55
魔性の子 p.237

∗56
魔性の子 pp.207-211

∗57
魔性の子 pp.211-212

∗58
魔性の子 p.308

∗59
魔性の子 p.310

∗60
魔性の子 pp.326-329

∗61
黄昏の岸 暁の天 pp.372-377

∗62
高校の廊下にあった「何かが這ったみたいな泥のあと」が、廉麟の使令が泰麒の気配を発見した際に付いたものと仮定して時系列を整えた。

∗63
魔性の子 p.221

∗64
黄昏の岸 暁の天 p.385

∗65
魔性の子 pp.296-297

∗66
魔性の子 pp.219-220

∗67
魔性の子 pp.233-234

∗68
魔性の子 p.217

∗69
原作中では「五時間目」(p.221)の研究授業を終えた広瀬と後藤が準備室で会話をした後に「四時限目の授業中のはず」(p.230)の生徒が準備室に来る場面がある。この後、「授業終了のチャイムが鳴って」(p.235)から中庭に出た広瀬が「弁当箱を膝の上に乗せていた」(p.242)築城と五反田と会っている。また、4日目の描写において昼休みのすぐ後に5時間目がくる記述がある(p.40およびp.44)ことから、4時間目→昼休み→5時間目という時間割になっていると推測できる。
これらから、研究授業は「五時間目」ではなく1~3時間目のいずれかであったと考えられる。しかし精確な修正ができないため、表中では原作に則り5時間目と記載した。

∗70
魔性の子 p.223

∗71
魔性の子 pp.229-235

∗72
魔性の子 pp.230-235

∗73
魔性の子 pp.235-241

∗74
魔性の子 pp.235-237

∗75
魔性の子 pp.243-245

∗76
魔性の子 pp.246-247

∗77
魔性の子 p.229

∗78
魔性の子 p.252

∗79
魔性の子 pp.249-253

∗80
魔性の子 pp.257-258

∗81
魔性の子 p.254

∗82
魔性の子 pp.255-258

∗83
魔性の子 p.259

∗84
魔性の子 p.260

∗85
魔性の子 p.265

∗86
魔性の子 pp.265-266

∗87
魔性の子 p.266

∗88
魔性の子 pp.267-271

∗89
魔性の子 pp.271-272

∗90
魔性の子 pp.273-277

∗91
魔性の子 p.295

∗92
魔性の子 p.290

∗93
魔性の子 p.293

∗94
魔性の子 pp.299-300

∗95
魔性の子 pp.297-301

∗96
魔性の子 p.302

∗97
魔性の子 pp.302-307

∗98
魔性の子 p.307

∗99
魔性の子 pp.308-309

∗100
魔性の子 pp.311-312

∗101
魔性の子 pp.312-313

∗102
魔性の子 p.313

∗103
黄昏の岸 暁の天 pp.390-397

∗104
魔性の子 p.315

∗105
魔性の子 pp.316-317

∗106
魔性の子 pp.321-325

∗107
魔性の子 p.330

∗108
魔性の子 p.357

∗109
魔性の子 pp.330-333

∗110
魔性の子 p.333

∗111
魔性の子 pp.339-342

∗112
魔性の子 p.343

∗113
魔性の子 pp.344-346

∗114
魔性の子 pp.349-354

∗115
魔性の子 pp.355-356

∗116
魔性の子 pp.356-362

∗117
魔性の子 pp.359-362

∗118
魔性の子 pp.362-363

∗119
魔性の子 pp.364-369

∗120
魔性の子 pp.370-372 および p.375

∗121
魔性の子 pp.375-376

∗122
魔性の子 p.376

∗123
魔性の子 p.377

∗124
魔性の子 pp.377-379

∗125
魔性の子 p.380

∗126
魔性の子 pp.385-388

∗127
魔性の子 p.389

∗128
黄昏の岸 暁の天 p.398

∗129
廉麟が陽子たちに報告したときの言い回しから、使令が泰麒を海辺で発見し、廉麟が海辺に行き、海辺から泰麒の気配を辿って十時のマンションを見つけ出し、その事を報告するまで、ある程度の時間が経っているものと推測できる。また、『魔性の子』において使令(異形のものたち)が泰麒を海辺で見つけたのは、20日目の夜のことであると分かっている。さらに、『黄昏の岸 暁の天』で廉麟が泰麒を見つけたと報告したのは、尚隆が蝕を起こす前日の、21日目のことである。
これらのことから、20日目の夜に使令が泰麒を発見し、日付が変わった21日目に、廉麟が陽子たちに報告したものと判断した。

∗130
魔性の子 p.391

∗131
魔性の子 pp.392-393

∗132
黄昏の岸 暁の天 p.397

∗133
魔性の子 p.394

∗134
黄昏の岸 暁の天 p.400

∗135
黄昏の岸 暁の天 pp.399-400

∗136
魔性の子 p.393

∗137
魔性の子 p.396

∗138
魔性の子 pp.398-399

∗139
魔性の子 pp.400-401

∗140
魔性の子 p.402

∗141
魔性の子 p.403

∗142
魔性の子 pp.406-409

∗143
魔性の子 pp.411-412

∗144
魔性の子 p.412

∗145
魔性の子 pp.413-415

∗146
魔性の子 pp.418-419

∗147
黄昏の岸 暁の天 pp.404-405

∗148
魔性の子 pp.429-431

∗149
黄昏の岸 暁の天 pp.405-406

∗150
魔性の子 p.431

∗151
黄昏の岸 暁の天 pp.406-408


 上の表では、『魔性の子』だけでなく『黄昏の岸 暁の天』の内容も日付つきで併記していますが、この日付をどのように推測したのか、改めてお話しましょう。

 『黄昏の岸 暁の天』には、玉葉と会談した陽子と李斎が蓬山から戻るのにどれだけ時間がかかったのか、明確な描写がありません。ですので、半嗣が泰麒の気配を発見してから陽子たちが玉葉と会談するまでの出来事の日付は、あくまでイタチ兄弟の推測です。この推測は、註釈62にも書いた通り、『魔性の子』に描写された「磯のにおい」∗152がする「何かが這ったみたいな泥のあと」∗153は泰麒の気配を発見したときの使令たちの痕跡である、という仮定に基づいています。
 この考えをもとに出来事を当て嵌めていくと、陽子・六太・李斎が蓬山に到着したのが金波宮を出発してから4日目∗64であるのに対し、陽子・李斎が蓬山から金波宮に帰ったのは、玉葉と会談した日から起算して6日目になります。
 言葉尻だけ捉えると、行きに比べて、帰りは2日も余分に時間がかかっているように見えます。しかし帰りは、玉葉との会談が終わった後、李斎と飛燕に休息を取らせるため出発を遅らせた可能性もあり、さらに、出発した後も移動スピードが落ちていたせいで、帰還日がずれ込んだ可能性も考えられます。
 そのため、行きよりも帰りに余分に時間がかかるのは不自然ではなく、会談から6日目に到着したのも妥当な範囲で合理的な理由付けができるものと考えました。

 註釈129にも書いた通り、使令たちが海辺で泰麒の姿を視認してから、廉麟が十時のマンションを突き止めたことを陽子たちに報告するまで、ある程度の時間が経過していると読みとれます。イタチ兄弟はその時間経過の間に、日付が変わって21日目に突入したものと考えています。この点は兄弟の共通見解なのですが、経過した時間の程度については意見が割れています。
 イタチ弟は「海辺から十時のマンションまで10分くらいの距離って読み取れるし∗154、廉麟はそれなりに手早く居場所を突き止められたけど陽子たちに報告するまでに結果として日付が変わっちゃった」っていう廉麟おしかったね派。
 イタチ兄は「海辺にあった痕跡からマンションを探し当てるまでメチャクチャ時間がかかって余裕で日付を超えていった」っていう廉麟ぽんこつ派。

イタチ兄「だって麒麟には土地勘もカーナビもないんやぞ」
イタチ弟「目の前に気配のナビがあるやろがい」

 溝が埋まることはありませんでした。

∗152
魔性の子 p.234

∗153
魔性の子 p.233

∗154
魔性の子 p.383