政治
組織図 王| 宰輔| 六官三公| 禁軍 州侯| 州六官| 州師 - 行政区分
組織図
――何もかもこれからかな。なにしろまだ官職の名前も職分も、主立った官吏の顔と名前も、満足に覚えられないような有様だし。こうして口に出していると、こんなで本当に王が務まるのか、ものすごく不安になるな。まだ仕方ない、焦ることはないって、景麒はそう言ってくれるんだけど。……たまには景麒も慰めたり励ましたりしてくれます。本当に、たまに、だけどね。華胥の幽夢 , p.146
以下に各種組織図をまとめる。なお、これらは組織的体系や指揮系統における繋がりを図化したものであり、図中の上下左右位置は官位の高低を表すものではない。
王
……準備中……
宰輔
……準備中……
六官三公
……準備中……
禁軍
……準備中……
州侯
……準備中……
州六官
……準備中……
州師
……準備中……
行政区分
「郡は県の上?」
「郷の上だな。州には郡がいくつかある。いくつかは州によって違うけどな。郡は五万戸、四郷、郷は一万二千五百戸、五県」
「……ふうん」
月の影 影の海(下) , p.59
行政区の最小単位は里である。里から始まり、順に族、党、県、郷、郡、州、国、と大きくなっていく∗1。
新しく里がつくられるには、役所によって里府が設置され、里木が植えられて里祠が開かれなければならない。また、長期間にわたって人が暮らしている実績があり、将来も人が住み続けることが確実でなければ、里の新設は認められない。∗2
1里のみで新設されることは滅多になく、たいていは1族か1党規模で新設される∗3。つまり、200人ないし1,000人規模の集落の実態があってはじめて、新たな行政区として認められるのである。
下の表に、各行政区の戸数と人口の大まかな規模を示す。なお、作中の情報から筆者が概算・推測した数については括弧書きで示した。
なお、「戸数」は実際にそれだけの戸数が住んでいるわけではなく、あくまで行政区分上の目安である∗1。また、「人口」は「一家は普通二人で数える。」∗4という作中の記述に準拠した計算である。
名称 | |||
---|---|---|---|
里 | 3廬 + 里家∗4 | 25戸∗1 | (50人) |
族 | 4里∗5 | 100戸∗5 | (200人) |
党 | 20里∗5(5族) | (500戸) | (1,000人) |
県 | (5党) | (2,500戸) | (5,000人) |
郷 | 5県∗6 | 12,500戸∗6 | (25,000人) |
郡 | 4郷∗6 | 50,000戸∗6 | (100,000人) |
州 | 州によって郡の数は異なる∗6 | ||
国 | 9州∗7 | (1,500,000戸以上) | 3,000,000人以上∗8 |
∗1
月の影 影の海 (下) , p.117
∗2
白銀の墟 玄の月 (二) , p.281
∗3
白銀の墟 玄の月 (二) , pp.281-282
∗4
風の万里 黎明の空 (上) , p.233
∗5
白銀の墟 玄の月 (二) , p.282
∗6
月の影 影の海 (下) , p.59
∗7
風の万里 黎明の空 (上) , p.264
∗8
東の海神 西の滄海 , p.157 で、「本来三百万はいていい成人」という記述が確認できるため、国の人口規模は3,000,000人以上と表記した。
陽子に行政区分を教えるときに、楽俊は廬に関して言及しておらず、最小単位は里であると言っています∗1。また、遠甫も「里とは、政の末端の単位」∗4であると説明しています。その点から、廬は行政区に含まれない事が分かります。これは、廬は農期の間に過ごす土地であるという認識があるのと、そもそも廬には当該地を管理する役所がない、つまり行政が直接的に管理する対象として勘定に含まれていないからだと考えられます。
国の人口に関しては明確な数字が示されていませんが、尚隆が敵軍の規模を推測する場面で、1国の人口規模を成人3,000,000人と評価しているのが確認できます∗8。また、芳で600,000人の民が処刑されたことについて、「民の数人に一人が殺された計算になる」∗9と表現されている場面があります。
これらの事から、1国の人口は3,000,000人以上、6,000,000人未満が普通なのだろうと推測できます。
∗9
華胥の幽夢 , p.84